企業内における労働者のキャリア形成の効果的な促進のため、その雇用する労働者を対象として、目標が明確化された職業訓練の実施、自発的な職業能力の開発の支援または職業能力評価の実施を行う事業主に対して助成するものです。訓練等支援給付金と職業能力評価促進給付金の2つの給付金があります。平成19年4月の改正で、訓練給付金、職業能力開発支援促進給付金、キャリア・コンサルティング推進給付金が廃止され、訓練等支援給付金が創設されました。OJTのみで受給できる給付はありません。
<受給要件>
次のいずれにも該当する事業主であって、あらかじめ、雇用・能力開発機構都道府県センターの受給資格認定を受けていることが必要です。
1. 雇用保険の適用事業の事業主であること。
2. 職業能力開発推進者を選任し、都道府県職業能力開発協会に選任届を
提出していること。
3. 労働組合等の意見を聴いて事業内職業能力開発計画を作成している事業主
であること。
4. 事業内職業能力開発計画に基づく年間職業能力開発計画を作成している事
業主であって、当該計画の内容を従業員に対して周知している事業主であるこ
と。
5. 業務命令として従業員に職業訓練および職業能力検定を受けさせる場合は、
職業訓練および職業能力検定の期間中において、通常の就労をさせた場合と
同様に賃金を支払っていること。
6. 従業員の申し出により教育訓練等を受けるための職業能力開発休暇を与える
場合は、職業能力開発休暇期間において、労働協約又は就業規則等に定め
た賃金を支払っていること。
7. 支給申請書の提出日において、労働保険料を過去2年間を超えて滞納してい
ないこと。
8. 受給資格認定申請書の申請日から起算して、過去3年間に雇用保険三事業
に係るいずれの助成金についても不正受給を行ったことがないこと。
<助成対象となる訓練形態と支給額>
■ 訓練等支援給付金
訓練等支援給付金は、次の@からCに取り組む事業主に助成する給付金です。
@ 専門的な訓練の実施に対する助成(対象:中小企業)
| 従業員に、専門的な知識・技能を追加して習得させることを内容とする職業訓練又は新たに職業に必要な知識・技能を習得させることを内容とする職業訓練を受けさせる事業主に助成します。 | |
| ■助成対象となる訓練形態 ・OFF-JT(※)により実施される訓練 (事業主が自ら企画し実施する訓練又は教育訓練機関で実施される教育訓練) ・10時間以上で実施する訓練 |
◆支給額 ・訓練実施に要した経費の1/3に相当する額 (訓練を実施するための設備・会場の借上げ料、教科書代・教材費、部外講師の謝金、教育訓練機関に支払う入学料及び受講料) ・訓練実施時間に応じて支払った賃金の1/3に相当する額 |
A 短時間等労働者への訓練に対する助成(対象:大企業・中小企業)
| 雇用している短時間等労働者(パートタイム労働者・契約社員 等)(※1)に、高度な技能・知識を習得させる若しくは正社員への転換に必要な技能・知識を習得させるために職業能力高度化支援制度(※2)又は通常労働者転換制度(※3)に基づいた職業訓練を受けさせる事業主に助成します。 | |
| ■助成対象となる訓練形態 ・OFF-JTにより実施される訓練 (事業主が自ら企画し実施する訓練又は教育訓練機関で実施される教育訓練) ・10時間以上で実施する訓練 |
◆支給額 ・訓練実施に要した経費の1/3(中小企業は1/2)に相当する額 (訓練を実施するための設備・会場の借上げ料、教科書代・教材費、部外講師の謝金、教育訓練機関に支払う入学料及び受講料) ・訓練実施時間に応じて支払った賃金の1/3(中小企業は1/2)に相当する額 |
(※1) 短時間等労働者とは、次の@及びAに該当する者をいいます。
@ 雇用期間の定めのない労働者であって、1週間の所定労働時間が正社員の1週間の所定労働時間に比べ短く、かつ、30時間未満である労働者
A 雇用期間の定めのある労働者
(※2) 職業能力高度化支援制度
短時間等労働者に高度な技能・知識を習得させるための職業訓練を受けさせ、かつ、これにより習得された技能・知識についての評価等を行う制度であって、労働協約又は就業規則により設けられているものをいいます。
(※3) 短時間等労働者に正社員への転換に必要な技能・知識を習得させるための職業訓練を受けさせ、かつ、正社員への転換を行う制度であって、労働協約又は就業規則により設けられているものをいいます。
B 認定実習併用職業訓練に係る助成(対象:大企業・中小企業)
| 厚生労働大臣の認定を受けた「実習併用職業訓練(※1)」を実施する事業主に助成します。 | |
| ■助成対象となる訓練形態 ・企業内におけるOJT(※2)と教育訓練機関で行われる教育訓練(OFF-JT)を適切に組み合わせて実施する訓練 ・実施期間 6ヶ月以上2年以下 ・総訓練時間を1年あたりの時間数に換算して850時間以上であること。そのうち、OJTの実施時間が総訓練時間の2割以上8割以下であること。 |
◆支給額 ・OFF-JTによる訓練の実施に要した経費の1/4(中小企業は1/3)に相当する額 (教育訓練機関に支払う入学料及び受講料) ・OFF-JTによる訓練の実施時間に応じて支払った賃金の1/4(中小企業は1/3)に相当する額 ・OJTによる訓練の実施時間に応じて、受講者1人につき1時間600円 |
(OFF-JT)と事業所で実施するOJTを適切に組み合わせて実施される訓練をいいます。
(※2) 「OJT」とは、業務の遂行の過程内における実務を通じた実践的な技能・知識の習得に係る職
業訓練をいいます。
C 自発的な職業能力開発の支援に対する助成(対象:大企業・中小企業)
| 従業員の自発的な能力開発を支援する制度(自発的職業能力開発経費負担制度(※1)及び職業能力開発休暇制度(※2))を就業規則又は労働協約等に設け、従業員の能力開発の経費を負担したり、職業能力開発休暇を与える事業主に助成します。 | |
| ■助成対象となる訓練形態 ・教育訓練機関により実施される教育訓練 ・業務命令でなく、労働者が自発的に受講する教育訓練・職業能力検定・キャリア・コンサルティング ※教育訓練機関によっては、訓練時間の下限が設けられています。 |
◆支給額 ・事業主が負担した能力開発に係る経費の1/4(中小企業は1/3)に相当する額 ・職業能力開発休暇期間中の訓練時間に応じて支払った賃金の1/4(中小企業は1/3)に相当する額 ・制度導入に係る奨励金 制度導入後3年以内に、その制度を利用して能力開発を実施した者が発生した場合には、次のとおり支給 a)中小企業の事業主 それぞれの制度を導入し、その制度を利用して能力開発を実施した者が発生した場合に、それぞれ15万円を支給(1事業所1回に限る) また、各制度利用者1名につき5万円支給(1事業所あたり延べ20人を限度) ※2つの制度のうち、どちらか一方の制度を導入した場合でも支給されます。 b) 大企業の事業主 「職業能力開発休暇制度」を導入し、その制度を利用して教育訓練(訓練時間が80時間以上の教育訓練に限る)を受講した者が発生した場合にのみ、15万円を支給(1事業所1回に限る) また、制度利用者1名につき5万円支給(1事業所あたり延べ20人を限度) ・制度の利用促進に係る奨励金 中小企業の事業主に対して制度を導入してから3年経過後において、1年あたりの過去最大の制度利用者数と比較して、増加1名分あたり2万円を支給(年間5人分(10万円)を限度) |
がこれに係る経費の一部又は全部を負担する制度です。
(※2) 職業能力開発休暇制度とは、従業員が自発的な職業能力開発を行う際に、事業主が職業能力開発休暇をする制度です。職業能力開発休暇は、自発的な職業能力開発を行う労働者に対して、事業主が付与する休暇をいい、労働基準法39条の規定による年次有給休暇制度とは区別されるものです。
■ 職業能力評価推進給付金
従業員に対して、厚生労働大臣が定める職業能力検定(都道府県職業能力開発協会で実施している技能検定等)を受けさせる事業主に助成されます。
| 支給内容 (経費および賃金の助成額をあわせて、1人につき年間5万円が限度です) | |
| 1. 職業能力検定の受検に要する経費(受検料等)の3/4 2. 職業能力検定の受検時間に応じて支払った賃金の3/4 |
<受給までの流れ>
@ 職業能力開発推進者を選任し、各都道府県の職業能力開発協会へ届け出
ます。労働組合等の意見を聴いて、事業内職業能力開発計画を作成します。
↓
A 事業内職業能力開発計画に基づいた年間職業能力開発計画とキャリア形成
促進助成金受給資格認定申請書を作成し、雇用・能力開発機構都道府県セン
ターへ提出し、受給資格認定を受けます。
↓
B 年間職業能力開発計画の沿った訓練等を実施します。
↓
C 雇用・能力開発機構都道府県センターへキャリア形成促進助成金支給申請書
を提出します。
↓
D 申請書類の審査後、支給決定、指定口座へ助成金が振り込まれます。
● 助成金を受給するための留意点
1. キャリア形成促進助成金には、支給額の制限が設けられています。申請額よりも、受給できる額
が少ないことがあります。
2. 各給付金には、支給要件が定められています。雇用・能力開発機構が定める要件に合致していな
い場合は、助成金を支給できません。
3. 助成金は国の財源によるものであり、不正に助成金の支給を受けた場合には助成金の返還を求
められ、関係機関へ通知されます。
